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映画の印象って、どういう状況で見たかとか、誰と見たかとか、体調がどうだったかとか、そういう外的要素に影響されることが大いにあると思うんだけれど、この「真夜中の弥次さん喜多さん」を見るのにどうも昼間明るいうちから見るのは違うんじゃないかという気がして、夜中、ルームメイトが寝静まるのを待ってこっそり(いや、別にこっそりする必要はないんだけど)ヘッドフォンをして見ることにした。わたしにはその方がこの映画を見るのに何となくふさわしい気がして。

オリジナルのDVDじゃないので、コメンタリーは聴けないかと思っていたけど、ちゃんと聴けました。よかったよかった。
でもさすがに初回特典映像はついてなくて、オマケは楽しめませんでした。残念!

以前映画館でこの映画を見た人が「2時間は長すぎる」と書いていたのをインターネットで読んだことがあった。やっぱり映画館で見るのと、家でDVDで見るのとでも印象はずいぶん違ってくるんだろうな。
わたしはちっとも長く感じなかった。逆に2時間もあったのか、という印象だ。

中村七之助の演技をきちんと見るのも初めてだし、しりあがり寿の原作漫画も読んでいないから、事前情報はほとんどないままに見た。
しりがり寿の「真夜中の弥次さん喜多さん」が傑作だという評判はよく聞くから漫画の方を読んでみたいなぁとずっと思っていた。
確かマンガ画夜話で「弥次喜多 in Deep」の方が取り上げられたことがあり(高橋源一郎がゲストだったはず)、録画を頼んだ記憶はあるんだけど、まだ家にあるかな。わたしは結局それも見ていない。


映画の撮影は「タイガー&ドラゴン」の前だろうと思うけれど、長瀬くんが時々どうも虎児とかぶってしまう。今や長瀬くんは最も「ワイルドで熱い」キャラクターが似合う男なんじゃないだろうか。

それにしても喜多さんの七之助くんがいい、色っぽくて。個人的には好みの顔立ちではないんだけど、男性に好かれる要素があるのはわかる気がする。ちょっと飛んじゃってる時と、ふと素に戻って微笑んでる顔のギャップがよかった。

ストーリーは確かに喜多さんの幻覚と入り交じったりしてシュールなんだけど、複雑怪奇なシュールさではなく意味のわかる範囲内でのストーリーからの逸脱だったから、「意味がわからない」ということはなかった。
ただ、冒頭で”岡っ引きのノンノン”こと柄本佑が「殺しだぁ~っ!」と江戸の町を走ってて、瓦版売りの生瀬さんの一団に出くわすところはちょっと展開がわかりにくかったかな。

「笑の宿」での皆川猿時出演の意味はわからなかった。カヲルさんはあのシーンに必要あったんだろうか。なくても無理矢理? しかもちっとも笑えなかった。
「笑の宿」といいつつ、一度も笑うことなくこのシーンは終わってしまった。竹内力の大げさな芝居にも笑えなかった。笑えないけど板尾創路は相変わらず味があってよかったな。「ジョゼと虎と魚たち」の時もそうだったけど、板尾創路は地味にいい味出してるんだな。

「喜の宿」は清水の次郎長の古田新太登場の巻なんだけど、それよりも「喜び組」の女子高生に目がいってしまった。
メインの女子高生を演じていたのは「タイガー&ドラゴン」の日向さんの新妻を演じてた松本まりかちゃんだった。声優さんもやってるぐらいだから特徴的な声だ。
それで、ヤマンバギャル(未だにいるのか?)を演じてた女の子は、「木更津キャッツアイ」でも薬師丸ひろ子の教え子で気志團の「松竹梅が好き!」と言ってた、あのガングロ女子高生。3年経ってもまだヤマンバ演じるか!

「歌の宿」で喜多さんが「オレはお幸ちゃんが好きだぁ~っ!」と富士山に向かって叫ぶがこだまが返ってこない、というシーンで、弥次さんが「おめぇはホモでヤク中の喜多公じゃねぇのかぃ?!一緒にお伊勢に行くんじゃねぇのかぃ?!」って喜多さんに向かっていうところ、ここは「池袋ウェストゲートパーク」でマコトがキングに向かって言う、「てめぇはサウナのタカシじゃねぇのかよ!」を彷彿とさせてホロッときました。この場面に流れるBGM「KITAさんのKIMOCHI」(だと思う)も切なくてよかったです。ここだけ2回ぐら見直してしまった。

出ている役者さんはみんな持ち味が出ててよかったんだけど、とりわけ好きなのは阿部サダヲと柄本佑のコンビ。
弥次さんを女房殺しのかどで江戸から追っている町奉行のキンキン(阿部サダヲ)と岡っ引きのケロンパ、もとい、ノンノン(柄本佑)が、弥次喜多が「王の宿」に向かったことを知り、自分たちもそこへ向かおうと茶屋を出るところ、

キンキン よしっ、決まったぁ!ノンノン!
ノンノン   へいっ、ノンノンでやんす! (カメラに入ってくる) 
キンキン チョイ切れたぁ!(間髪入れずに、手で「フレームに入ってないよ」と指示)

っていうのが個人的にツボでした。
それにしても柄本佑は180もあるんだ!そりゃぁ阿部サダヲと並んだら切れちゃうか。
彼らのどのシーンもそうなんだけど、阿部サダヲの「間」がもう、ホントにいいのですよ!本当に彼の芝居の呼吸は天才的だと思うなぁ。
「タイガー&ドラゴン」の時のどん太でも存分に発揮されてましたが。

それにしてもさすがに大人計画、”ヒゲのおいらん” こと松尾スズキと荒川良々の登場の仕方は宮藤官九郎にしかできない感じ!特に夢に見そうな荒川良々マルティプライズ!


そして魅力的だった小池栄子!この映画で一番印象的だったのは誰かと言われたら、わたしは彼女を挙げたい。
短い出番ながら、小池栄子はものすごーくよかった。こういう芝居をする人だと知らなかった新鮮さもあるんだけど、亭主(弥次さん)を男に取られた哀しさと切なさ、そしてそれでも亭主を愛する感情がにじみでていた。
「魂の宿」で、夜中に米を研いで弥次さんとケンカする場面は、ここだけ全く別の映画として見たくなっちゃうぐらい、彼女の芝居は引きつけるものがあった。

ZAZEN BOYS の音楽も期待通り。
これは「ジョゼと虎と魚たち」のくるりの時にも感じたけど、映像と音楽がお互いに補い合ってて、それでいてどちらも立ってる。

TVなどで映像化された宮藤官九郎の脚本作品と比較してみると、「真夜中の弥次さん喜多さん」は意外にオーソドックスな作りだったなぁと思う。正直インパクトのある画面の切り取り方やカメラワークはそれほど思い浮かばない。そのかわり曽利文彦のCGはインパクト大だったけれど。あ、オープニングに登場するしりあがり寿画伯の壁画と障子絵(?)の長屋、とってもキッチュでポップであのセットもインパクトありました。

やはり宮藤官九郎の脚本を第三者が映像化するのと、彼が自分のイメージを自分で映像化するのとはまた違うものが出来るんだなぁ。
コメンタリーでも宮藤官九郎は「もう2度と映画作れないかも知れないと思って、できることはなんでもぶち込んじゃおうと思った」って言っていたけれど、その思いは十分に伝わってきました。

この映画はきっと好き嫌いがハッキリわかれるんじゃないかと思うけれど、わたしの場合は「好き」、というより「嫌いになれない」という方が正しい感想かも知れない。
いつものクドカン作品に見られるスピード感は感じなかったけれど、それはしりあがり寿の原作に沿っているからだろう。道中の宿場毎に場面が変わるという展開(舞台方式)というのもあるからかも。原作を読んでいないからどこまで宮藤官九郎が自分のアレンジを加えたのかはわからないけれど。

そしてこの映画の場合、やっぱり「タイガー&ドラゴン」の小虎にも通じる長瀬智也の弥次さんの「愛すべきひたむきなバカ者」(誉め言葉です)というキャラクターの存在が、この作品を憎めない、愛すべき映画にしているように感じるのだ。
宮藤官九郎のテイストにピッタリ合う、主役の器なんだけど飄々とした突っ切った持ち味のある(虎児じゃないけど)規格外の若い男優で、そして決して子供っぽくな いって、なかなかいないような気がする。彼がジャニーズだっていうことすらほとんど忘れかけていましたよ、わたしは。

「真夜中の弥次さん喜多さん」は万人にお勧めする映画、というタイプじゃないんだけど、わたしにとっては憎めない、愛すべき映画なのは確かです。

【追記】
昨日のニュースで来年の元旦にTOKIOが「大笑点」として特番の大喜利に出演するとのこと。長瀬くんも「林屋亭小虎」で出ることが期待される、なんて書いてある!テレ朝得意の”枠を越えたコラボレーション”がTBSと日テレでも実現ですね。
いやぁ、見てみたいなぁ、小虎の高座!





















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