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友人が小林聡美のエッセイ『マダムだもの』を読み終わったというので貸してくれた。肩の力の抜けた、彼女らしいエッセイだ。
といってもご主人の三谷さんのエッセイ『ありふれた生活』によると一見大らかそうな彼女であるけれども、実はとても繊細で人見知りでもある、というようなことが書いてあったので、やはりメディアから伝わるイメージと実生活を共にしている人からの情報というのは違うものなんだなぁ。
わたしも小林聡美はシャキシャキしてアッケラカンとした人だと思っていた。もちろんそういう面もあるのだろうが、彼女のエッセイを読んでいても、彼女がとてもこだわり派で、コマメなきれい好きな人だというのが伺える。


読んでいて可笑しかったのは、夫婦で同じネタをエッセイに使っていること。
愛犬とびの話、生ゴミ処理機の話、ピアノのお稽古始める話等々(さすがに時代劇フィギュアの話はマダムの方には出てきませんでしたが)、やはり同じ業界で仕事をしていて、お互い家で過ごす時間が長いとなれば自然とネタもかぶろうというものだ。というか、このお二人は本当に「この人以外の伴侶ではダメだ!」というぐらい名パートナーな気がします。
よかったね、三谷さん、あきらめずに頑張って!(by 総司)
この総司の左之助へのセリフは三谷さんの本心から出たものだったのかなぁ。(笑)

三谷さんの『仕事、三谷幸喜の』(角川文庫)も送ってもらう荷物に入れて欲しい、とお願いしていたのでそれも入っていた。実はこれの元になっている単行本『Now and Then』は買って(実家に)持っているのだけど、この文庫の方には『Now andThen』以降の情報も新しく加わっているということなので頼んでおいた。

三谷さんのご母堂・直江さんの特別寄稿がいいです。お身内にしかわからないエピソードも披露されていて面白かった。
可笑しかったのは、

”こんなこともありました。六年生の時、謝恩会で、作・演出・衣装・音響を担当して『国定忠治』をやったんですが、国定忠治役には、ご両親が共働きで一度も学校に見えたことのない同級生を推薦したんです。それで、ぜひ来てくださいってご両親をお誘いして、ご両親は涙を流して観ていらっしゃいました。その子とは、それからずっとつき合っていたんじゃないでしょうか。そういう優しいところもあるんです。かと思えば、稽古に来なかった子は即座に切る。そんな小学生でした。” (p199)

最後の一行に大笑い!(笑)

”私はテレビドラマも日本映画も好きじゃないんですが、三谷幸喜のファンなので、息子のだけは観るんです。舞台も含め、今までやってきた作品の中でもっとも好きなのが「今夜、宇宙の片隅で」。演出家の方が別にいらしたので見せ方の違和感はありましたが、作品的にはあれがいちばんあの人らしかった。” (p202)

三谷さんはお母様の寄稿の最後に注を付けて、”こんな親ばかな文章を掲載していいものかどうか悩んだが、一生懸命書いてくれたので載せることにします、彼女が悲しむ顔を見たくないのです”と綴っている。三谷さんの優しさが感じられます。

お母さんが三谷さんのことを「あの人」と呼び、三谷さんがお母さんのことを「彼女」と呼んでいるのを見て、おそらく三谷さん親子は随分昔からお互いに自立した大人同士として接してきたのだろうなぁ、という印象を受けた。こういう母と息子もあるんですね。

三谷さんの育て方は、お母さんの文章にもあったけれど、「すべて本人任せ」。学校を決めるのも本人のやりたいようにやらせる。
普通子供が芝居をやって食べていきたい、って言っても「じゃぁ頑張っておやりなさい」と言える親はなかなかいないと思うけれど、三谷さんのお母さんは彼の才能を早くから認めていて応援してあげていた節すらある。きっと最初の、そして最大の三谷幸喜ファンなんだろうな。やはりこの母にしてこの子あり、という感じ。だって小学生の時から脚本を書き、演出をして、そして母子でのヨーロッパ旅行で子供は8ミリカメラを持って演技をつけてたんですもの、母に!(笑)

『ありふれた生活』の中で、「新選組!」への風当たりが強くて凹んでいた三谷さんが、子供の頃からお母さんが彼の作品をいつも誉めてくれていたことをとても感謝している、という一文があった。彼は「誉められて伸びる」タイプなのだ、と。

それにしても三谷さんの幼少時代の写真を見ると、ほんと「いいとこの坊ちゃんオーラ」が出ているなぁ。やはり彼の生まれ持ったそこはかとなく漂う品性が彼の作品にも反映されているのがわかります。

わたしの説教好きの友人が口癖のように言う、

     「人間は植物と一緒。育ち方は環境次第。」

というのを思い出す。

オダギリジョーもそうだと言っていたけれど、一人っ子で遊び相手がいないから、いろんな空想にふけって遊ぶのが楽しかった、と。きっと三谷幸喜も同じだんだろうと思う。
やはり彼は芝居を作ることが天命の人なのだ。そういう幸せな天分と環境を持った人は世の中にそう多くいるもんじゃない。

そういう意味で、リアルタイムで三谷幸喜の仕事に触れることができるのは、これまた幸せなことなんだろうな。





















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