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brokeback仕事帰りに「ブロークバック・マウンテン」をようやく見た。

いやぁ、これは「切なさ」に弱いわたしのストライクゾーンのど真ん中にドーンきました!

出る映画出る映画で怪(快)演をしているフィリップ・シーモア・ホフマンに賞を獲らせてあげたい気持ちはやまやまで、特に今年の賞レースでも注目作の1つ「Capote」でトルーマン・カポーティを好演しているPSHを応援したい心づもりも満々だったけれど、いやはや、この「ブロークバック・マウンテン」のヒース・レジャーの素晴らしさはどうよ!と。
これを見てしまったら、「PSHよ、君は頑張った…でも今回は残念だった…」としか言えないぐらい、ヒース・レジャーが素晴らしいのです。

 


もう芝居なのか、ヒース自身なのかの境目がわからないぐらい、寡黙で男臭さの漂うカウボーイが匂い立つよう。でも南部訛り(というかテキサス訛り?)が強く口ごもって喋るので、何を言っているのか聞き取るのが大変だった。残念ながら彼のセリフの全ては理解できなかった。
彼だけではなく登場人物全てが南部訛りが強いので、たぶんこの映画はDVDの字幕付きでもう一度見た方がよさそうだ。

彼と共に季節労働で羊をブロークバック・マウンテンに連れていく仕事を得るジャック役にジェイク・ギレンホール。人なつっこくて魅力的な青年を好演している。

1960年代、世間的にホモセクシュアルはまだ異端であり、中西部という保守的な地域では尚のこと隠されるべき性癖であったため、彼らの純粋なる愛情は互いに結婚し子供を持つことで自分たちの本心を被い隠してゆく。

この映画は Focus Features の製作なのだが、Focus Features は本当に毎回質の高い映画を連発し確固たる地位を築き上げている。
わたしは常日頃から Sonny Classics と Focus Features の作る映画にハズレなし、と思っているが、「ブロークバック」も実に美しく質の高い映画だ。「戦場のピアニスト」「ロスト・イン・トランスレーション」「エターナル・サンシャイン」「モーターサイクル・ダイアリーズ」などの優れた作品はFocus Featuresによって製作されている。

映画が始まってから、映画のタイトルやキャスト・スタッフのクレジットは出てこない。一番最後、映画が終わってからしか登場しないのだが、映像が暗転してクレジットが上がってくる時に、

                                Directed   by   Ang  Lee


と出た時、あぁ、アン・リーはこんなところまで来てしまった…と本当に感動を覚えた。

多分、一番最初に彼を知ったのは「ウェディング・バンケット」だ。
これもアメリカに帰化した台湾人の若者が、アメリカ人(白人男性)の恋人を持ったことで、台湾の道徳的思考を持つ両親との間に摩擦を生む姿を描いた物語だった。

その後、台湾の都会で暮らす三姉妹と父親の家族を描く「恋人たちの食卓」、ジェーン・オースティン原作のイギリスの上流階級のコステュームプレイ「いつか晴れた日に」(エマ・トンプソン名演!)、アメリカ・コネチカットのある家庭の崩壊を描く「アイス・ストーム」(秀作!)、ご存じワイヤー・アクションの傑作「グリーン・ディスティニー」、興行的にはコケてしまったが、人気アメコミの映画化「ハルク」等々、ひとつとして同じパターン、同じモチーフを持たないアン・リーの人間描写の素晴らしさと変幻自在ぶりは他の追随を許さない。

そうして今回はワイオミングのゲイのカウボーイの物語だ。
彼のすごいところは、映画を見ている限り、彼がアジアの文化背景に生まれた人だということを全く感じさせないことだ。
「映画」という言語を持っているアン・リーは、イギリスの古典劇であっても、ワイオミングのカウボーイであっても、中国のソード・アクションであっても、何の障害もなく自由に泳ぎ回ることができる。これはすごいことだ。

「ブロークバック・マウンテン」によって彼は今年すでに山ほどの受賞レコードを履歴に加えているけれども、恐らくアメリカでの賞レースが本格化するこれから、その数はもっと増えるだろうと思う。

そのぐらい、映画の最後の最後に彼の名前がスクリーンに登場すると、「あぁ、アン・リーはまたすごい仕事を見せてくれたなぁ」と思ってしまうのだ。彼の映画のクォリティの高さは尋常ではない。

映画のオープニング、ワイオミング(実際にはカナダで撮影されたようだけれど)の山の風景が登場する。
息をのむような山々と空の青さ、雲の白さと大きさが描かれる。アメリカの田舎の、" Middle of nowhere " というのはこういうところなんだろうなぁ、と思わずにはいられない、雄壮な風景だ。
緑の濃さや澄んだ空気など、山の景色の美しさはスイス映画の「山の焚火」にも匹敵する。

そして音楽。これがまたいいのです!
音楽、かかってた?というぐらい、画面の中で音楽はしゃしゃり出てこない。でも要所要所で味のあるカントリーの音楽がかかり、そしてギターを基調としたオリジナルスコアが山々の美しさと相まって心に響く。この音楽は非常にいいです。

ヒース・レジャーとジェイク・ギレンホールのそれぞれの奥さん役でミシェル・ウィリアムズとアン・ハサウェイが登場するのですが、この2人の女優も好演。とりわけ「プリンセス・ダイアリー」の愛嬌のある可愛らしい女の子しか見たことのなかったアン・ハサウェイが、全く違うイメージを見せていたのに驚いた。ちょっとジーン・トリプルホーンにも似てたな。

オスカーやゴールデン・グローブを獲るとか獲らないとか、そういうことは関係なくても、アン・リーのセンスと力量をを見せつけた「ブロークバック・マウンテン」でした。
堂々のヴェネチア映画祭グランプリ。

ちなみに、この映画が今年どれだけプロの批評家たちに愛された映画かといいますと…

Boston Society of Film Critics Winner
Los Angels Film Critics Association Winner
New York Film Critics Circle Winner
San Francisco Film Critics Winner
Dallas-Fort Worth Film Critics Association Winner
Southeastern Film Critics Association Winner
Las Vegas Film Critics Society Winner
Utah Film Critics Association Winner
Florida Film Critics Circle Winner

もう、「○○批評家賞」総ナメです。

チャンスがあれば今週末にスピルバーグの「Munich(邦題:ミュンヘン)」も見に行くかも知れない。
これは72年のミュンヘン五輪の時の、パレスチナゲリラのイスラエル選手団襲撃事件を映画化したものだが、ノンフィクション好きのわたしは昔、イスラエルのCIAと言われるモサドがこの事件の報復に、パレスチナゲリラの指導者だった11人を暗殺していく過程を記録した『標的(ターゲット)は11人~モサド暗殺チームの記録~』を読んだことがあったので、是非見てみたいと思っている。主役のエリック・バナ(いい役者です)も好演している模様。

しかし、「プライベート・ライアン」や「ブラックホーク・ダウン」も真っ青の超リアリティ描写が全編に渡って待っているみたいなので、見る前に心の準備が必要かも知れません…。
予告編はこちら。でも残酷描写は一切ないのでご安心を。)





















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