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1月は頑張って毎日書いた。
別に頑張らなくてもよかったんだけど、何だか続いてしまうと途中で抜けてしまうのが惜しくなって、結局三日坊主にならずに元旦を除いて毎日更新になった。

naraもうはや2月になってしまった。
奈良美智のカレンダーが初めてめくられる。

この奈良美智カレンダー2006のイラストはどれも好きなのだけれど、特にこの2月の画はお気に入りなのだ。


おかっぱの少女が黒い水面に上半身だけを出して、右手に絵筆をかざしている。暗闇の中、その絵筆はほのかに光を放ち、少女の大きなつりあがった瞳から放たれる視線は、まっすぐその絵筆に注がれている。

この画のタイトルは「the little judge」。
この少女にとって、真実はすべてこの絵筆にあるのだ。
そしてその真実の絵筆を握っている少女の表情はいつもの奈良美智の描く少女のように無表情で、そして強い確信が認められる。

絵筆を握るのは少女の姿をしているけれど、これはまぎもなく奈良美智だ。暗闇の創造の世界で、絵筆の灯火を道しるべにこの道を進んで行こうとする作者の姿なのだ。

この純真無垢な存在の象徴である「少女」に小悪魔のような表情を持たせる奈良美智の画は、可愛さと不気味さとそして静寂さを醸し出している。
彼の描く画はいつも時間が止まった無音状態の真空の中にいるようだ。そうしてわたしたちの視線を惹きつけて離さない。

この時間が止まった無音の世界に住む少女たちを見るたび、奈良美智は詩人だなぁと思うのだ。
下ぶくれでおでこの広い、異様に目のつり上がった少女たちは奈良美智の分身のように、人間の無邪気さと邪悪さを同時に体現してみせる。

この奈良美智独自の視点で描かれる、(純粋であるはずの)子供の目を通して人間を見つめる精神性が、いろんな文化の枠を超えて普遍性を生み出している。

One and Only なのに普遍的。
One and Only だからこそ普遍的。

これはわたしが高校の時に出会って今なお感銘を受ける加藤周一の評論『日本の庭』から学んだ真理だ。

今年1年は毎月奈良美智のイラストを眺めて、彼の詩を味わえたら、と思う。


【追記】 
吉弥さんの日記に八番楽屋登場。





















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