
友人からの又貸しで蒼井優ちゃんの写真集『トラベル・サンド』がやってきた。
まず表紙のカプチーノを赤いストローで飲んでる彼女の表情が、もうね、何とも言えずいいのです。右頬にえくぼですよ。
そしてこの写真集のサイズがいいです。ほぼ正方形のようなA4の変形で、手頃な大きさ。ありきたりの”写真集だぞ!”と主張しない、控えめな大きさとビニールのカバーがまたいい。
ここには10代最後の素顔の蒼井優がいて、ほんとにお化粧をしていない「すっぴん」の彼女の姿が写し込まれている。
確か彼女は「三井リハウスガール」だったと思うのだけど、彼女は決して美少女タイプではない。いや、もちろん可愛いのですよ。可愛いのだけれど、どちらかといえば目はちょっと離れがちで切れ長タイプだし、鼻だってちょっとお団子っぽくもある。それでもやっぱり彼女の顔や表情に惹かれるのは、とても日本的な顔立ちだからじゃないだろうか。彼女のきれいな卵形の、少しデコチンで柔らかい曲線をもった輪郭は、とてもソフトなイメージをわたしに与えるのだ。それは美少女というよりは綿菓子にも似た甘さと可愛らしさを含んでいる。
彼女のそういう「静」な感じ、包容力を感じさせる柔らかさが、メディアに登場する彼女と同世代の女の子たちと彼女が決定的に違っている点なのかも知れない。
ピュア、素直さ、すれていない、透明感、ふわふわ―蒼井優を形容するのに思い浮かんだ言葉たち。
そしてわたしはコレに非常に弱いのだけれど、彼女の「姿の美しさ」。
これはもう先天的なものだから、どんなに努力しようとも手に入れることはできない。だから立ち姿の美しい人には文句なく憧れてしまう。
蒼井優もその一人。
やはり2歳からバレエをやってきているだけあってフォルムとして美しい。蒼井優は立ち姿、全身での姿を見たいと思う俳優の1人だ。決して背丈の高い人ではないと思うんだけれど、手足の長さ、身長とのバランス、そういうフォルムの美しさで惹きつけることのできる人でもある。
わたしの場合、長澤まさみやオダギリジョーだってそうだ。
背が高くて細身の人はそのフォルムの美しさが強調されやすいけれど、だからといって速水もこみちや松下奈緒にはそういう美しさは感じない。やっぱり何かが違うんだな、きっと。
それからもう1つ。センター分け・ワンレングスのロングヘア。
これが似合う人というのは必ず人を惹きつけると思いませんか。
口数が多くなく、雰囲気があって、”女性”と”少女”の境界線が曖昧で(またそこが魅力なんだけど)、そしてこの普遍的な髪型ゆえに、流行に左右されない美しさが刻まれているような。
たとえば南沙織とか。たとえば原田美枝子とか。あと誰だ、観月ありさとか。
彼女たちの長い黒髪は、もうトレードマークのようになっていて、どんなにその後髪型を変えてもこのイメージは離れない。これも蒼井優ちゃんの大きな魅力の1つだろうと思う。誰もショートカットの彼女を見たいとは思わないだろうし、切って欲しくないとすら思う。でも正直なところ、髪の毛をアップにしている時の優ちゃんが一番可愛いと思っているんだけど。
この写真集を買っている人は実は女性がとても多いんじゃないかな。
もちろん彼女に男性ファンが多いのはわかっているけれど、彼女の可愛さを堪能しているのは実は女性ではないのかな。
蒼井優の持つ愛らしさは、そういう性別を超えて人を惹きつけるところにあるのかも知れない。
個人的には『リリィ・シュシュのすべて』の伊藤歩より、『花とアリス』の鈴木杏ちゃんより、わたしには蒼井優ちゃんの方がずっとずっと強い印象を残したのだ。とりわけ『花とアリス』の彼女の踊る姿を見て、彼女に惹かれない人がいるんだろうか、と思ったりするぐらいだ。あくまでも個人的な感想だけれど。絶対絶対、岩井俊二はクラクラしたはずだ!
最後に、彼女は被写体としてとてもフォトジェニックな人だと思うけれど、それだけではないところがまたすごい。
わたしは彼女のお芝居もとても好きだ。技術的なことではなくて、観ている人を惹きつけることのできる人という意味で。可愛さや姿形の美しさではなく、彼女の個性がわたしたちに訴えかけてくるものを持っている。
でもそれが何であるかをうまく説明できない、残念ながら。
やはり彼女は掴みきれない魅力をもった人なのだ。
そうして彼女が登場すると磁石で引きつけられるように、彼女に釘付けにされてしまうのだ。そういう人はいそうでなかなかいない。
無防備にスムージーをすすっている彼女は、やっぱり愛らしい。
ロッキン・オン社、Good Job。