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アラシゴトではありません。

昨日は久しぶりに友人と映画を観に行く予定にしていて、ともに見たいと言ってた「告白」を見てきました。


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レンタルの返却期日が迫ってきて夜中に半分眠りこけながら黒澤明の「隠し砦の三悪人」を見る。
前回見たのは実はボストンにいた時で、ケーブルチャンネルの IFC(Independet Film Channel) という局で週末に黒沢映画や勝新の座頭市などをしょっちゅう放映していて、偶然つけたらやっていたので途中まで見ていたのだった。(その後予定があったので出かけてしまったけど) その時は確か太平(千秋実)と又七(藤原鎌足)が真壁六郎太(三船敏郎)にそそのかされて(?)薪を山名藩領に運ぶ道中のあたりまで見たのでした。

モノラルなのでやっぱり音声がちょっと聞きづらいのですよね。音が割れたようになってしまって、特に全体的に役者がみんな怒鳴ったようにセリフを言うので聞き取りにくい。仕方がないけど。特に声が割れて何を言っているのか聞き取りにくかったのが雪姫役の上原美佐のセリフ。

上原美佐つってもあれですよ、ナイスバディの「のだめ」で千秋先輩の声楽科の元GFを演じたあの別嬪さんではもちろんありません、同姓同名ですけど。芝居もヘタだしセリフも何言ってんのかわかりづらいなぁ~、なんて思っていたら、黒沢明に大抜擢されてこの映画でデビューしたんですね。(でも「私には才能がない」といってその後2年で引退したとか)
秋月家のお姫様なのだけれど男勝りで勝ち気な16歳(には見えないが)。だけれど敵方に素性がバレてはならないためにろう者の山娘という設定にしてある。この設定で多少は演技力の乏しさをカバーする上手い工夫がみられるのだけれど、如何せんやっぱりちょっと棒読みですな。ただキリッとした顔立ちと抜群のスタイルの良さは雪姫のイメージにピッタリだったことで大抜擢だったのかも知れないけれど。

やはりこの映画で最も有名なシーンは六郎太が雪姫らを連れて国越えしようとする時に敵陣に見つかってしまい、本陣の味方に彼らの存在を知らせるために引き返した敵兵(2名)を追いかけて馬上で闘う場面。三船敏郎は両手放しであのスピードの馬上で格闘シーンを演じており、しかもあれがノースタントというのが驚異的。

3頭の馬が全力疾走で駆け抜けてゆき、馬に乗りながら相手を斬り倒すアクションはものすごい迫力。スピード感を増幅させるために3頭が走りすぎていくショットと砂煙を上げて駆けている馬脚のショットだけを交互にカットバックして緊張感を高めている。三船敏郎が最初に追いつく、2人のうちの後ろの敵が斬り倒されて落馬する時の、勢い・スピード・砂煙の臨場感たるや、さすがにちょっとワクワクするものがあった。

でもね、正直なところワクワクする見せ場はここだけで、「七人の侍」「用心棒」「椿三十郎」が好きなわたしにはちょっと物足りなかった。
ジョージ・ルーカスは「スターウォーズ」の着想をたくさんこの映画から得たとは思うのだけれど。

確かに凸凹コンビの千秋実と藤原鎌足はいかにも欲に目がなさそうで、互いにけなし合いつつも「長生きしような」「生きてりゃ儲けモンだよな」と支え合う(?)くされ縁がにじみ出ていてよかったですね。あぁ、確かにC-3POとR-2D2だわね、と。

来年松潤が主演するリメイク版の「隠し砦」の武蔵というのはオリジナルには登場しない名前ですが、千秋実と藤原鎌足が演じた凸凹コンビの片方にあたる新しい農民役の若者のようで、もちろん太平とも又七とも少し違ったキャラクターになっている模様。
グラビアもインタビューも充実していた『CINEMA SQUARE vol.15』の松本潤独占インタビューによると、もし完全リメイクの話だったら多分この映画の話は受けていなかったと思う、と語っていた。

   やっぱりオリジナルはすごすぎますもん。だから「『隠し砦の三悪人』を完全リメイクしますけど、やりますか?」と聞かれたら、多分「やりません」って言いましたね(笑)。

   大前提として、黒澤さんの『隠し砦~』は尊敬していますが。全く同じことをやる上では勝てないですからね。…はい。勝つ気はないです。戦うつもりもないし(笑)。僕としてはタイトルも変えて欲しいくらい(笑)。

   (武蔵は)金鉱堀りです。そんなに悪くはない山賊というイメージかな。ある過去があって、孤独に生きてきたので、悪いこともしてきたけれど、根っこはそんな悪人でもない、みたいな。


わたしも最初に松潤がこの映画の主演、と聞いた時に手放しで「あらスゴイ!」というよりは「あぁ、ハードルの高い作品を選んだんだなぁ」と思ったりした。
名作のリメイクが成功した例は少ないし、黒澤作品なら尚のことで、彼の演技云々の以前に企画として既に世間の評価の目は2割り増しぐらいは厳しくなっている気がする。
来月公開予定の森田芳光監督の『椿三十郎』が一つの試金石かも知れないけれど、どんなに新しい解釈を織り込もうとも、どんなに現代の人気俳優たちを集めようとも、やはり純粋に評価を得るのは厳しいことだと思うから。

正直なところ、『椿三十郎』にしても『隠し砦の三悪人』にしても、たとえ【全く新しい作品として見て欲しい】と言われても、そしてそういうつもりで見ようとしても――やはりそれは難しい。
もちろん出演陣のみならず監督の樋口氏も脚本の中島氏も、それは痛いほどわかっているとは思うけれど。

テーマ:日本映画 - ジャンル:映画





行って来ました、『天然コケッコー』を観に。
レイ・ハラカミを聴きに、くるりを聴きに、そして「コケッコー」の世界を確認しに。

くらもちふさこ原作の『天然コケッコー』という漫画(『YougYouコミックス』だと全14巻)は、大きな流れの中では物語は連続していますが、基本は1話完結の漫画です。
だからこの映画化に当たって、脚本の渡辺あやはその独立した1話完結のピースを2時間ほどの物語に繋いでいく作業が必要だったわけで、どのエピソードを拾い上げるか、この物語のどの部分を一番の見せ所にするか、いろいろ苦心があったと思います。

のどかな山陰の田舎に大事件は起こるはずもなく、主人公の中学生たちの瑞々しい初恋の姿と田舎暮らしの人々のゆったりとした静かな日常を描き重ねていくことがこの原作の素晴らしさでもあるのですが、映画も極力忠実にそのテイストを再現しようとしていました。

障害物が何もない広い広い空。
緑濃い山々。
単線の電車。
木造の校舎。
軽トラックの走る農道。
町中の誰もが知り合いというコミュニティ。

原作の1話完結のエピソードをつないでいくため、映画ではエピソード毎に画面が暗転して話を紡ぎます。ただわたしにはその「間」が微妙に物語の流れを遅くしているように感じました。緩急がなくて「緩」ばっかり、というような。
この映画にたたみ掛けるようなリズムをつけたって全くそぐわないのはわかっているけれど、それでもそのゆったりしたテンポが眠気を誘うといえば誘ってしまうわけで、わたしの周囲で眠っている人はいなかったけれど、これはタイミングを間違えて見に行くとやはりちょっと睡魔がやってくる可能性は感じさせました。(笑)

原作を愛読しているとどうしてもキャスティングにも気がいってしまうわけで、ミスキャストとまでは言いませんが、やはり夏帆ちゃんの「右田そよ」はわたしのイメージとは少し違っていました。

原作だと、あんな田舎町に暮らしている少女なのに、そよちゃんはハッとするぐらいの美人なのです。ただ本人は全くそのことを自覚していないところがミソで、そんなに美人なのにバリバリの島根弁を操り、心優しいのにあまりに素直で鈍感なために気遣いに失敗してしまうという憎めないキャラクター、そのギャップがそよちゃんの魅力なのです。
しかし夏帆ちゃんは可愛いのだけれど、結構庶民的な可愛さなのです。ハッとするような美人ではない。そよちゃんは一目見ただけで「おっ!」と振り返っちゃうような美人である方が、彼女のギャップがより強調されると思うのです。
映画だけ見ている分にはそんなことは関係ないかも知れませんが、実はその「ギャップ」がそよちゃんの最大の魅力なので、「普通に可愛い」夏帆ちゃんでは(わたしは)少し物足りなかったのでした。
そして彼女の台詞が何度となく聞き取りにくかった。わたしには既に知っているエピソードばかりだったので、彼女が何と言ったか覚えているけれども、みんなあの台詞は聞き取れたのかな?なんて思いつつ観ていました。
本筋には全く関係のないことだけれど、華奢だと思っていた夏帆ちゃんの足が意外にしっかりしていた(失敬!)であることも発見でした。(笑)

初めキャスティングを知った時に「うーん?」と思っていた大沢くん役の岡田将生くんですが、これが意外に良かったですね。原作の大沢くんより大人し目な男の子になっていましたが、「東京から転校してきた都会っ子」という雰囲気はよく出ていました。

この間、現在放映中の『花ざかりの君たちへ』に出ている岡田くんを見たらすっかりまた成長していて、この時期の男の子の半年~1年というのは変わるなぁ!なんて親戚のオバサンのような心境になっちゃいました。最近の岡田くんを見るとだんだんと渡部篤郎に似てきたように思うんだけれど、そんなことないですか?すごく格好良くなってるんだけど!
彼にはどこかしら市原隼人くんと同じニオイを感じます。何だろう、色の白さなのかな。(笑)

それにしてもなるべく原作の漫画に近い役者さんをキャスティングしている跡が伺えるのですが、とりわけそよちゃんたちの担任の松田先生がもう、漫画と激似!そよちゃんたちの先輩であるシゲちゃんの役の人も激似!オカッパのさっちゃんも激似! よくこんな俳優さんたちを見つけてきたなぁ!というぐらい似てました。

レイ・ハラカミの音楽は全編に流れるわけではなく、子供達の心の揺れに合わせてさり気なく流れることが多かったようでした。そういう意味では田舎の町ののどかさ、静けさを山下監督は大事にしたのかも知れません。
映像を過剰に味付けすることはなく、でもハラカミ氏の水彩画的音楽はちゃんと淡く美しい色づけをほどこしていました。

エンディングに流れるくるりの「言葉はさんかくこころは四角」、何となくちょっと懐かしいような、ほのぼのするような曲の雰囲気がこの映画にマッチしていましたね。

物語に大きな起伏がない分、全体的に映画としてはちょっと冗長な印象がぬぐえませんでした。
それはわたしが原作を知って見ているのでエピソードの具体的な部分まで予測がついてしまっているからなのか、実際、映画のテンポがゆっくりなので少しもたついた印象を持ってしまうからなのか――。

原作では大沢くんはちょっと辛辣だけれど嘘がなく、そっけないけど行動から実は優しさをちゃんと持っている男の子として描かれているのですが、そういう部分(例えば東京への修学旅行でそよがLOFTで田舎の人たちへのおみやげを買う場面等)は原作を知らない人にもちゃんと伝わっていたんだろうか、とふと思ったのです。
なぜなら、どうも主人公2人の台詞が聞き取りにくいと思える箇所がいくつかあったので…。

ともあれ、映画を見る限り佐藤浩市の”お父ちゃん”と夏川結衣の”お母ちゃん”は結構贅沢な使い方でした。

夏帆ちゃん、もうちょっとお芝居が上手かったらなぁ…!(笑)


テーマ:映画感想 - ジャンル:映画





少し前の『CUT』の6月号に「歴史を変えたインディーズ映画ベスト50」というのが掲載されていた。

80年代の後半から90年代にかけてインディーズやミニシアター系のヨーロッパ映画などを猛烈に見ていたわたしには懐かしいものもあり、知らないものありのラインナップ。
ちょうどミニシアターが各地に出来て花盛りになる頃で、レンタルビデオ屋にも以前なら見られなかったようなタイトルが並び始め、貪欲な映画好きのマニアック度が深まっていく時期でもありました。

そこで『CUT』編集部が選んだ「歴史を変えたインディーズ映画ベスト50」はというと…

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テーマ:映画関連ネタ - ジャンル:映画





ニュースで大泉さんが新作映画の撮影に入ったことを伝えていた。(こちらにもニュース記事ありました)

『運命じゃない人』を撮った内田けんじ監督の新作『アフタースクール』という作品だそうです。

真面目な中学教師の大泉さんの元に怪しい探偵(佐々木蔵之介)がやってきて行方不明になっている中学時代の同級生(堺雅人)を探し出すことになるのだけれど、大泉さんはその同級生探しにどんどんと巻き込まれていく展開になるのだとか。中学時代のアイドルだった常盤貴子も絡んでストーリーは複雑に展開し、あまりに複雑すぎて出演者自身も内容確認のために(監督に隠れて)話し合いをしながら撮影しているのだとか。

カンヌやベルリンなどの国際映画祭への出品も視野に入れているそうなので洋ちゃんも『ブレーブストーリー』以来のレッドカーペットなるか?! 
ちなみに公開は来年の6月ぐらいだそうです。

大泉洋・佐々木蔵之介・堺雅人っていう出演陣の名前が挙がるだけでもちょっと面白そうです。





こりゃぁ、渡辺謙、熱演です。主演賞、獲っちゃいます。
(病気のため『天と地と』で途中降板したので意外にも映画初主演)
樋口可南子もすごくよかった。

この作品が撮影される前、ちょうど堤監督のブログをよく読んでいた次期で、まだ作品名や内容を明かせない頃だったので、”「プロジェクトA」進行中”なんて書いてあった。

わたしはその頃まだボストンにいて何のこっちゃサッパリだったけれど、(今思えば)その頃堤さんは『トリック』のテレビSP版と劇場版2作目も同時に撮影したり、舞台版『電車男』(武田真治主演)の演出も手がけていたりで、本当に一体いつ寝る暇があるんだろう、というような仕事ぶりだった。

『明日の記憶』は内容が内容だけに、いつもの《堤節》は全く登場せず、直球ど真ん中の作りになっていた。
プロデューサーも兼任していた渡辺謙は、どうしてこの作品の監督に堤幸彦を選んだんだろう、そう思ったものです。

恐らく彼らが出会ったのは『池袋ウェストゲートパーク』だろうと思うのだけれど、最初渡辺謙があのドラマに出演したことにわたしはすごく驚いたのを覚えている。渡辺謙はこの役でも受けたのか、と。もちろん主役じゃないし、カッコイイ大人の男でもない。
どちらかと言えばダメ男(一応東大卒のエリートで池袋署の署長ですが)なのだけれど、そんな役を演じることを楽しんでいる余裕が感じられて、主役でかっこいい男を演じてきた彼にとっては転機になった作品だったと思う。

彼の堤さんに対する信頼度が『明日への記憶』へ繋がっているのだろうけれど、この演出は堤さんにとっても(彼の常套表現を封印するという意味で)チャレンジだったんだろうな。

画作りは非常にスタンダード。色彩も画角もいつもの堤カラーは殆ど感じられない。謙さん演じる佐伯のアルツハイマー病の
感覚を表現するのにちょっとゆがんだ風景なんかを見せたぐらいだろうか。

音楽も大島ミチルだったのだけれど、とりわけ感情を盛り上げるような大げさなものではなかったし、静かな、物語を邪魔しない穏やかな劇伴になっていた。

最後、泣いちゃうだろうなぁと思っていて、やっぱり泣いてしまった。
渡辺謙が自分の妻である樋口可南子が誰であるかがわからず自己紹介をする。遂に<その時>が遂に来てしまったことを悟った瞬間の樋口可南子の表情の切なさと美しさ。ポロポロポロポロと涙は真っ直ぐ頬を伝ってくるのだけれど、でもすぐ気を取り直したように泣きながら微笑んで渡辺謙を見つめる樋口可南子は綺麗だったなぁ。

出演者もともて豪華。
それにしても吹石一恵ちゃんをほんとによく見かける。売れっ子なんだな。

あまりに全面に渡辺謙がフィーチャーされているのと、いつもの作風を封印しているので監督が堤幸彦であることを少し忘れかけていた。正攻法で作られた、誠実な映画でした。
ただ、わたしはいつものちょっとくだらない小ネタの入ったお遊び一杯の堤幸彦も好きですけども。(笑)

『ピカ☆ンチ』&『ピカ☆☆ンチ』も見まして、やっぱりこっちの方が定番の安心感(?)が出てた気が…!!

テーマ:今日観た映画 - ジャンル:映画





うちは母娘ともども国分太一くんの秘かなファンです。
彼の出演番組を全てチェックするほどの熱烈ファンとは言えないけれど、彼をTVで見かければ微笑んで見てしまう、そういうささやかなファンなのだ。

たぶん母はわたしより太一くんに好感を抱いており、『オーラの泉』は(時間帯が遅いので)見ないけれども『ぐるナイ』のゴチバトルは決して逃さない。太一くんが「うんめぇ~、コレ!」と嬉しそうに豪華料理をほおばる姿に、「太一くん、ホントに美味しそうに食べるよねぇ?」と微笑んでいる。

そんなわが家のアイドル・国分太一くん主演の映画『しゃべれども しゃべれども』を誰よりも見たい、見たいと楽しみにしていたのは母であった。
ひどい雨の降る中、車で1号線を京都方面に20分ほど行ったところにできたシネコンに、2人で見に行ってきた。
こういうミニシアター系の小品でも佳作と言われる作品がシネコンで公開されることは有り難い。

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テーマ:しゃべれども しゃべれども - ジャンル:映画





わたしはドキュメンタリー番組や映画が大好きでよく見るのだけれど、2002年にアメリカで公開された長編ドキュメンタリーには優れた作品が多かった。

その年のアカデミー賞の長編ドキュメンタリー部門は混戦で、ただ社会的な話題性や監督のマイケル・ムーアのパフォーマンスもあって、注目度の高かった『Bowling for Columbine (ボーリング・フォー・コロンバイン)』が最終的にオスカーを獲得した。

日本でもヒットしたのかも知れないけれど、『ボーリング…』と受賞を競い合ったノミネート作品である『Spellbound (スペルバウンド)』と『Winged Migration (WATARIDORI)』の2作品は特に人気が高く、ボストンの家の近所にあったミニシアターでもロングランで上映していた。

わたしはこの中でとりわけ『Spellbound』が大好きで、実は政治がらみで話題になった『ボーリング…』よりも純粋に楽しむことができたこの作品が受賞しないかな、なんて期待していた。

これは毎年アメリカのESPNという局で放送される、全米で人気のあるスペリングコンテスト(子供達が単語の綴りを正確に当てる競技会:通称「スペリング・ビー」)に出場した子供達を追ったドキュメンタリー。
全米の地区別に予選会が行われ、その地区大会を勝ち抜いた250人近い子供達が全国大会に集まり勝者を決める。映画はその本戦に残った中の8人にスポットを当て、彼らが予選に出る以前から本戦での闘いぶりまでを丹念に映し出す。

アメリカではこのスペリング・ビーに出場し、優秀な成績を収めることはとても名誉なことで、非常に権威と人気のあるイベントだ。それだけに、この大会で勝つことは出場する子供本人だけでなく、その家族にとっても意義の大きいことになる。

小学生の子供達がどんな思いとどんな環境でその大会に臨むのか、家庭の経済事情から民族のアイデンティティに至るまで、このイベントの裏側に存在するいろいろな出場者の背景が見えて興味深い。

WOWOW2(5/28)&WOWOW3(6/15)でこの『スペルバウンド』が放送される。
”spellbound”というのは「(呪文で)縛られた」とか「魅せられた」という意味の形容詞だが、「綴り方」という意味のスペリングにも引っかけた意味がある。まさしくスペリング・ビーのコンテストの魅力・面白さを示す意味もあるのだ。

残念ながら邦題のタイトルは

『チャレンジ・キッズ 未来に架ける子供たち』

という、しゃれっ気も面白味も全然ない邦題がつけられている。敢えて言えば「架ける」という字を当てたところに含みを持たせていると言えようか。
気持ちはわかるが「見てみたい」と思わせる輝きが全くなく、岩波の教育映画のような真面目で硬い印象になってしまう。本当はものすごく笑って楽しくて、そしてコンテストの参加者を通して現在のアメリカ社会を取り巻く環境(特に移民や低所得者層の状況など)が透けて見える作品になっているのだけどなぁ。

『Roger&Me』『The Fog of War』『March of Penguins』と並ぶ、わたしの好きなアメリカドキュメンタリーの秀作です。

テーマ:私が観た映画&DVD - ジャンル:映画





わたしは最近のマンガにはあまり詳しくないので、ドラマ化や映画化されて初めて「あぁ、そういうマンガがあるんだ」と知ることが多い。昔から(ある一部の作家を除いて)ほとんど少年マンガを読まない習慣があるというのも最近のヒット作を知らない大きな理由かも。

神童』も原作がマンガだというのは映画の情報を得てから知った。『アクション』で1998年の6月~9月の3ヶ月間連載され、『のだめ』でブームを巻き起こした「クラシック漫画」の先駆となった作品なのだそうだ。

そんなことは全然知らなかったのだが、どうして『神童』を見に行くことになったかというと、「とくダネ!」に、『神童』で成海璃子演じるピアノの天才少女・成瀬うたの演奏シーンの吹き替えを担当した和久井冬麦(むぎ)さんという女の子が出ていたのを見たからだ。

彼女は現在12歳でウィーンの音楽学校に留学しているのだけれど、3歳でピアノを初め5歳の時には既にウィーン国立音楽大学予備科に入学を許された、まさに「神童」だったのだ。
ピアノを初めてわずか2年(しかも5歳!)でソナチネの1番を感情豊かに演奏し、そしてウィーン国立音大の予備科に入学する――これを「天才」と言わずして何というのでしょうか。五島みどりが登場した時もすごいなぁ!なんて思ったけれど、和久井冬麦さんもかなりスゴイ。スタジオの生演奏でもまだあどけない容姿と小さい少女の手で軽やかにショパンを披露してくれた。

彼女の演奏に衝撃を受けた母とわたしは、「これは『神童』が公開されたら見に行かねばなるまい」という話になって、女性サービスデーの水曜を狙って2人して見に行ったのだった。

*ネタバレ注意*
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今日は『ゲゲゲ』の公開日で、『王様のブランチ』で大泉さんのコメントがVTRで流れるという情報があったのでBS-iにチャンネルを合わせ(関西ではBS-iで試聴できるので)、彼の登場を待ちつつコーヒー何ぞを飲みながら番組を見ていたわけです。

『ゲゲゲ』の前だったか後だったか、近日公開の他の映画の紹介もやっていて、そこでミシェル・ゴンドリーの新作『恋愛睡眠のすすめ』の予告編も流れたのです。
the science of sleep

またまたミシェル・ゴンドリーはやってくれそうな予感だなぁ!わたしは彼の前作『エターナル・サンシャイン』が大好きなのです。ジム・キャリーとケイト・ウィンスレットの名演も、ゴンドリーのポップでシュールな映像センスも、そしてちょっと胸を締めつけてしまう切ない物語も大好きでした。

今回の主人公はガエル・ガルシア・ベルナル。『バベル』も見てみたいと思っていますが、彼のピュア&繊細で少年の面影を持ち合わせルックスと佇まいは非常に印象的で気になる人です。

ステファン(ガエル・ガルシア・ベルナル)は隣に引っ越してきた女性ステファニー(シャルロット・ゲンズブール)に恋をしてしまうのだけれど、彼女にはその気がない。恋愛も仕事も上手くいかない彼は夢の中で彼女との恋物語を成就させ幸せに浸る。しかしそのうち夢と現実の区別がつかなくなって…という展開のようなのだけれど、その夢の世界の映像がね、もう、すごく独創的なのです。やっぱりミシェル・ゴンドリーは才能あるなぁ、そう思わせる不思議で奇想天外な平面的な(でもおとぎ話のように可愛らしい)世界が広がっている。

予告編を見ただけで、もう俄然この映画を見たくなってしまった。きっとゴンドリーのことなので素直なハッピーエンドじゃないかも知れないけれど、それでもどこかハートウォーミングなものが残る物語になっているんじゃないかと期待したりする。『エターナル』の時はチャーリー・カウフマンが脚本だったのでかなりシニカルな視点も入っていたけれど、今度はどうなんだろう。

予告編ではシャルロット・ゲンズブールが恐ろしく老けてしまって(まだ30代半ばのはずなのに…)魅力激減!に見えたのが気がかりだ。だって今を輝くガエル・ガルシア・ベルナルが恋する相手なのに!映画の中ではシャルロットもルックスだけではない輝きを放っているのかも知れないけれど。

それにしても、あの思春期の瑞々しさをたたえた『なまいきシャルロット』の時の彼女はいずこに?あの時は小顔の童顔で手足がヒョロ長くて、どこか少年ぽさも含んだ”フランスの気ままな少女”という雰囲気があったのだけれど…。
シャルロット


久しぶりに予告編でノックアウト。
久しぶりに洋画で見てみたい!と思わせる映像作品。
やっぱりミシェル・ゴンドリー。

『恋愛睡眠のすすめ』って邦題のセンスはちょっとイマイチ…ゴニョゴニョゴニョ…(頑張れ、アスミックエースの宣伝部よ!)。でも、予告編を見る限り『エターナル』が好きな人だったら絶対楽しめそうなゴンドリー・ワールドが展開されております。音楽もとても心地いい。

やっぱりミシェル・ゴンドリー、好きだな。

テーマ:ミニシアター系 - ジャンル:映画





うちの近くにあるTSUTAYAで先週末、旧作&準新作の半額キャンペーンが実施されていたので『釣りバカ日誌17』を借りてきた。続くよ続く、またもや大泉さんネタです。

わたしは寅さんもまともに見たことがなく、『釣りバカ』も第1作を、それこそ公開して間もなくTVで見たきりという状態なので、いつからミチコさんが石田えりから浅田美代子に交替したのかも知りませんでした。(石田えりのミチコさんは愛らしくてよかった記憶があるんだけれど)

そんな状態なもので、わたしの中で「釣りバカ」と言えば、『どうでしょう』での「釣りバカ」の方が先に浮かんでしまい、「門別沖 釣りバカ対決」でミスターが好調に釣り上げるのを見た藤やんの、

「スーさん(鈴井さん)、スゲーよ!釣りバカだよ!」

という台詞で大笑いするぐらいしか縁がなかったわけです。
しかし『釣りバカ17』に大泉さんがゲストで出ているということで、TSUTAYAの半額キャンペーンも手伝って見てみることに。
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『ゆれる』と『フラガール』、この2作品で今年度のおおかたの映画賞は独占されてしまった。
シネカノンは良質な作品を送り出しているなぁ。代表の李鳳宇の優れた手腕なのだろうな。その昔、ミニシアターが華やかなりし頃にはシネカノンの配給でヨーロッパ映画の佳作をたくさん見た。もう大手配給だとかインディペンデント制作だとか、そういう境界線は要らないんだな。
いい映画は支持される、それだけのことだ。

『フラガール』にはやっぱり泣かされてしまった。
見終わった後のあの爽やかさというのは、他でもない、フラやポリネシアンダンスを踊る彼女たちのまっすぐな信念に突き動かされて生まれたものだ。

廃れゆく炭坑の町を救うため、家族の生活を救うため、自分自身の生き方を変えるため、女の子たちは見たことも踊ったこともないハワイアンダンスを修得する。

ハワイアンセンターが町の観光課やリゾート企業によって作り出されたのではなくて、炭坑で働いていた人たち自身が自分たちのために成功させようとする姿がこの物語の土台にあって、そのために踊る少女たちの姿が胸を打つ。

泣けてしまうのにちっとも湿っぽくないのは、彼女たちのその曇りのないひたむきな姿と登場する人々の潔さが最初からずっとブレないことと、彼らの苦闘する姿を悲観的に捉える描写が全然ないことだ。みんなが真っ直ぐ前を向いているような、そういう強さがこの映画にはある。

多くの映画賞で、時には助演賞で、時には主演賞で、そしてまた新人賞(数多くの映画に出演しキャリアを磨いている彼女にとって、このタイミングで「新人賞」ってのはどうだろう?)で蒼井優が賞を受けた。
そして一本筋の通ったたくましい母を好演した富士純子もいくつかの助演賞を受賞している。
みんなが芝居巧者なので「主演」と謳われながら割を喰った感のある松雪泰子がちょっと気の毒だけれど、彼女も決して悪くなかった。(しずちゃんもね)

ラストのあのダンスシーンは圧巻だった。
何台ものカメラを使っていろんな角度から効果的にスローモーションをン織り交ぜて踊り子たちの動きと表情を映し出す演出が、最後に向けて非常に感情を盛り上げてくれた。
この晴れ舞台の陰に彼女たちのどんな想いがあったか、それがあの最後の涙笑顔で伝わってきて、素直に「あぁ、素晴らしい踊りだったね」と声をかけてあげたくなるような気持ちになる。

娘の晴れ姿を見るために、反目していた母親がひそかに舞台を見にやってくる。興奮する観客を目の当たりにして涙ぐむ母。
あぁ、これは『シックスセンス』のトニー・コレットのエピソードみたいだ。

やっぱり劇場で見なくてよかったかも知れない。
終演の明かりがついたらきっとわたしもすぐには席を立てなかっただろうと思うから…。

テーマ:DVDで見た映画 - ジャンル:映画





『ハケンの品格』の最終回の勢いはすごいのだった。
この交流の少ない超地味なブログで、一日に1100件を超えるアクセスというのは初めての体験で、すごいことなのです。(笑)
それを記録した要因は他でもなく”『ハケン』最終回”での検索なのです。(98%ぐらい)
いやはやビックリ。やはり関心の高い作品だったんだなぁ。
北海道での視聴率はどうだったんだろう。毎週『華麗なる一族』を軽く抜いてトップの座をキープしていたけれども。

ところで、先日『ゆれる』を見てしまったせいでまだ見ていない邦画が見たくなってしまって、『UDON』と『フラガール』を借りてきた。

UDON』は地元・香川出身の本広監督が撮った、文字通りうどんの映画な訳ですが、大阪育ちのわたしとしては「麺」といえば圧倒的に「おうどん」なのです。確かに讃岐ほど町にうどん屋が溢れているわけではないけれど、わたしの”ソウルフード”と言えばやはりうどんになるかも知れない。

わが家では「体調がよくない」「あまり食欲がない」、こんな状況だと必ず「じゃぁ、おうどんでも食べる?」となるわけで、困った時の”うどん頼み”なわけです。
なので「おうどんを食べる日常」というのに全く違和感がなく、ただひたすら美味いうどんを食べ歩く彼らを羨ましい気持ちで眺めておりました。

ユースケがスタンダップコメディアンになる夢破れ、NYから実家のある香川に帰って来る出だしになっているのですが、いくらなんでもあの芸では…という感じなので、もうちょっと違う設定でもよかったかも知れない。まぁ既にユースケの専売特許である”ちょっと調子のいいとこのある、夢だけはデカイ男”という人間像の演出には成功しているのだけれど。
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テーマ:映画感想 - ジャンル:映画





一家の長子として生まれたために、家業を継いで暮らす――西川美和の『ゆれる』で描かれる地方都市の家族の物語は、世界の多くの国でごく当たり前にみられる光景だ。

この映画はカンヌで高い評価を受けたそうだが、それはこの映画のテーマがどの国の物語に置き換えても通用する普遍性があるからだ。この兄弟の関係性と、そこから生まれてくる葛藤がどの国の人であっても共感し得る要素が高いからだ。

『ゆれる』を見ていると、アメリカ映画の『ギルバート・グレイプ(What's Eating Gilbert Grape)』が連想された。
スウェーデン人のラッセ・ハルストレムが監督した作品で、彼が初めてアメリカ資本で撮った映画が『ギルバート・グレイプ』だった。
彼がスウェーデン時代に撮った『マイライフ・アズ・ア・ドッグ』や『やかまし村のこどもたち』が大好きで、彼の人間を見つめる視線の優しさや深さに心動かされていた。

『ギルバート・グレイプ』で描かれるジョニー・デップの家族はアイオアの片田舎に住む母子家庭で、父を自殺で失ってからは地元のこぢんまりしたスーパーで働く長男のギルバート(ジョニー・デップ)が一家を支える柱になった。

父の死のショックで過食症となってしまった母親、知的障害を持つ弟(レオナルド・ディカプリオの驚異的な名演!)、妹2人の面倒を見ながら、自分のことよりも家族を養うことに精一杯の日々を送るギルバート。

旅の途中で偶然この町にとどまることになる少女(ジュリエット・ルイスが好演)の自由な魅力に惹かれ恋心を抱くけれど、現実には彼は町を離れることも家族を捨てることもできない――。

この状況は哀しいほど『ゆれる』の兄の姿にダブって見えて、彼が誠実で一生懸命であればあるほど胸が締めつけられてしまうのだ。

『ギルバート・グレイプ』のジョニー・デップは最後に大きな決断を下す。
母の死によって長年離れることのできなかった(父の建てた)家を焼き払い、これまでの環境をリセットして新しい生活を同じ町でまたスタートさせるのだ。人に頼ることなく彼はまた同じ町で同じように働き、妹や弟の面倒をみる。でももう被害者意識はみじんもない。なぜならその生活は彼自身が選んだのだから。

ラッセ・ハルストレムの人間を見つめる視線は常に暖かい。
西川美和のそれはもう少し客観的でクールではあるけれど、お互いの関係性を修復しようと動き出す人間の物語である点は同じかも知れない。

あぁ、ほんとに弱いのです、こういう物語に!


【本日のBGM】Re:Re:/アジアンカンフージェネレーション

彼らの2nd アルバム『ソルファ』は間違いなく名盤だ。
「Re:Re:」をタイトルにつけた後藤君のセンスはやっぱり凄い。もちろん曲もカッコイイ。
先日購入した『フィードバックファイル』に昨年のライブ演奏の「Re:Re:」がボーナストラックとして収められている(この曲を含め5曲のライブ演奏がボーナスとして収録)のだけれど、オリジナルよりイントロが長い!!(笑)

テーマ:映画感想 - ジャンル:映画





昨日借りた『ゆれる』を見る。

あぁ、西川美和は巧い。
ウマいなぁ。
脚本も巧ければ演出も巧くて編集も抜群に巧い。

映画が始まってわずか1分40秒でオダギリジョーの演じる男(早川猛)がどういうヤツかというのを見事に描き出してしまった。
水の入ったペットボトルをごろんと車のフロントグラスに投げ出して、レトロなフォードのエンジンをかけて走り出すそのイントロでもうガッチリと心を掴んでしまう演出はお見事。

彼の所有するもの、ファションの一つ一つが無言で「猛」という人物像を浮き上がらせて、このオープニングだけでもう彼に関しては十分すぎる情報量を受け取ることができる。

非常によく出来た脚本を非常に巧い俳優が演じると、こういう相乗効果を生み出すのだという代表例のような作品なんじゃないだろうか。
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